【2024年6月施行】建設業法改正について

令和6年6月、国土交通省は「建設業法改正(令和6年法律第49号)」を公布しました。
本改正は、建設現場の効率化・品質確保・持続可能性を高めることを目的としています。

改正の背景や概要、現場への影響、そして第三者による進行管理の活用方法について記載します。

1.改正の背景

近年、建設業界では以下のような課題が深刻化しています。

  • 建設資材費の高騰
  • 労務費や人手不足
  • 大規模工事や複雑な工事の増加による管理負荷の増大

こうした環境の変化を踏まえ、建設業法改正は現場運営の透明化や効率化、適切な技術者配置を実現するために行われました。

2.改正法の概要と影響

  • 価格転嫁の円滑化
     ・発注者と受注者間での価格調整が円滑化
     ・資材費・労務費の変動に対応可能
     ・無理なコスト削減による品質低下リスクを抑制
  • ICT技術の活用促進
     ・BIM、ドローン、タブレットなどICTを活用した施工管理を推進
     ・工事進行状況の可視化や情報共有の効率化
     ・現場での手戻りやトラブルを最小限に
  • 技術者専任の合理化
     ・複数プロジェクトでの技術者配置が可能
     ・工期や規模に応じた柔軟な人材配置
     ・現場運営の効率化と安心感の向上

3.対策

建設業法改正に対応するため、現場では以下のような取り組みが考えられます。

  • 予算・コスト管理の強化
     価格転嫁ルールに沿って資材費・労務費の動きを定期的に確認
  • 進行状況の可視化
     ICTツールを活用して、工事進行や作業内容を現場全体で共有
  • 技術者配置の最適化
     工期や工事規模に応じた人員配置を計画的に実施
  • 安全・品質管理の徹底
     定期的な現場確認やチェックリストの活用により、リスクを未然に防止

特に公共工事や大規模改修工事では、発注者側の負担を軽減しながら、工事の安全性や品質を安定させる手段として、第三者進行管理が検討されるケースがあります。

4.まとめ

建設業法改正は、工事管理の効率化・透明化・持続可能性を高める重要な改正です。
価格転嫁の円滑化、ICT活用、技術者専任の柔軟化に沿った現場対応を行うことで、工事進行の安定化と品質確保が期待できます。