建築物の維持管理について

建築物は、長年にわたって使用されるため、定期的な維持管理が必要です。維持管理を行うことで、建物の寿命を延ばし、安全性を確保することができます。また、同時にライフサイクルコストを抑えることにもつながるため、建築物にとって様々な効果が期待できます。

※ライフサイクルコスト(LCC)とは、製品や構造物(建物や橋、道路など)がつくられてから、その役割を終えるまでにかかる費用を合計したものです。生涯費用とも呼ばれます。

維持管理の工程

維持管理の工程は、建物の種類や規模、使用状況によって異なりますが、一般的には以下の工程が含まれます。

  • 定期点検
  • 劣化診断
  • 修繕計画
  • 修繕工事
  • 記録管理

建築物の劣化と対策

建物は、外的要因(風雨、紫外線など)や内的要因(材料の劣化、構造的な欠陥など)によって、徐々に劣化していきます。

維持管理では、これらの劣化の仕組みを理解し、適切な対策を行うことで、建物の寿命を延ばすことができます。

1.劣化の種類  ・材料の劣化
・設備の老朽化
2.予防保全・定期的な点検や清掃をにより、劣化を早期に発見
・大規模な修繕が必要になることを防ぎ、建物の寿命を延ばすことに繋がる
3.安全性の確保  ・建物の構造的な問題、設備の故障、火災の危険性など、様々な危険な状態の早期発見につながる
4.安全基準への適合 建築基準法をはじめとする様々な法規に基づき、建物が安全基準を満たしていることを確認
5.快適性の維持温度・湿度管理: 空調設備の適切な運転により、快適な温度・湿度を保つ
6.資産価値の維持適切な維持管理を行うことで、建物の外観や機能が維持され、不動産としての価値が向上

まとめ

建築物の維持管理は、建物を長く安全に利用するために不可欠な作業です。定期的な点検、劣化診断、修繕計画、修繕工事、記録管理といった一連の工程を通じて、建物の状態を良好に保つことができます。