設計監理について
設計監理は、建築物や土木構造物を建設する際に、設計図の作成から工事完了までの全工程を管理する業務です。大きく「設計」と「監理」の2つの側面に分けることができます。
設計
設計は、建築主の意図を形にするためのプロセスです。建築物の全体像を構想し、詳細な図面を作成する作業が中心となります。
条件整理
- 敷地の調査: 敷地条件(形状、地盤、日当たりなど)を調査し、建築可能な範囲や制約条件を把握します。
- 建築主との打ち合わせ: 建築主の要望、予算、スケジュールなどをヒアリングし、設計のコンセプトを固めます。
- 法規制の確認: 建築基準法や都市計画法などの法規制を調査し、建築可能な範囲を明確にします。
役所協議
- 行政への申請: 建築確認申請に必要な図面を作成し、行政機関へ提出します。
- 行政との折衝: 行政からの指摘事項に対応し、必要な手続きを進めます。
基本設計
- 建物の配置計画: 敷地内の建物の配置、道路との関係などを計画します。
- 平面計画: 各階の平面図を作成し、部屋の配置や動線などを決定します。
- 立面計画: 建物の外観デザインを決定します。
- 構造計画: 建物の構造形式(鉄筋コンクリート造、木造など)を決定し、構造計算を行います。
実施設計
- 詳細設計: 基本設計に基づいて、より詳細な図面を作成します。
- 構造計算: 構造計算を行い、建物の安全性、耐久性を確保します。
- 設備設計: 電気設備、給排水設備、空調設備などの設計を行います。
確認申請
- 確認申請書類の作成: 建築確認申請に必要な書類一式を作成します。
- 行政への申請: 建築確認申請を行い、建築の許可を得ます。
監理
監理は、設計図に基づいて工事が計画通りに進んでいるかを確認し、品質管理、安全管理を行う業務です。
見積精査
- 複数の業者から見積もりを収集: 工事内容に応じた複数の業者から見積もりを収集します。
- 見積内容の比較検討: 各見積もり内容を比較検討し、最適な業者を選定します。
施工会社選定
- 業者選定基準: 実績、技術力、価格などを総合的に評価し、施工会社を選定します。
- 契約締結: 施工会社と請負契約を締結します。
工事監理
- 現場巡視: 定期的に現場を巡視し、工事の進捗状況を確認します。
- 品質管理: 設計図どおりに工事が行われているかを確認します。
- 安全管理: 工事現場の安全確保のための指示を行います。
- 工程管理: 工事スケジュール通りに進んでいるかを確認し、遅延が発生した場合には対策を講じます。
検査・引渡し
- 中間検査: 工事の各段階で中間検査を行い、品質を確認します。
- 完了検査: 工事完了後、最終的な検査を行い、建築主へ引き渡します。
まとめ
設計監理は、設計と監理の2つの側面から成り立つ専門的な業務です。設計では、建築物の構想を形にし、監理では、設計図に基づいて工事が計画通りに進んでいるかを確認します。設計監理者は、建築主の信頼を得て、安全で高品質な建物を完成させるために、多岐にわたる業務を行います。